2013年6月17日月曜日

願い事か一つ叶うなら《第三話》

第三話です

よろしくね!

連絡を受けて病室に入ると、医者が「ご家族の方ですか?」と言ってきた
俺は首を横に振った
「お友達?良かった、家族の方と連絡が取れなくて困ってたんです」
そう言って医者は彼女の酸素マスクを取って一言残して部屋を出て行った
「手を尽くしましたが今夜が最後です」

どれだけ時間が経っただろうか、深夜になり彼女が目を覚ました
崩れてゼリー状になった目から血が混じった涙がこぼれた

「ゆう君(←俺)・・・」
彼女は俺の手を握った
もう、握るというほどの力も無かったが

「・・ゆう君のこと考えてたら・・・私、信号見てなくて・・・」
彼女の息が荒くなった
「・・・・ゆう君の家、また行っていい?仲直り・・」
「いつでも来いよ・・元気になったら」
彼女はニコっと笑った
「・・・ゆう君・・」
「料理も掃除も教えてやる。でもその前に怪我治せ・・・おい!」

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